July 31, 2006

サンルイのクリスタル

■職人技にカンパイ!

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先日のシャンパーニュの会では、持参するシャンパーニュについてアドバイスを頂いたり・・・、と、近頃、何かとお世話になっているワインのプロ。

彼女の会社が事務局となっている、「アール・ド・ヴィーヴルの会」という会員制のイベントにお誘いをいただき、顔を出してまいりました(ついつい、口調も丁寧に・・・)。

イベントのテーマは、「サンルイのグラスでシャンパーニュを楽しむ」会

サンルイは、1586年創業のフランス最高峰の技術と伝統を誇るクリスタルメーカー。ロレーヌ地方の山間の工房で、職人技をいまだに伝えているブランドです。

日本での知名度はまだまだ低いようですが、パリ万博ではグランプリを受賞したり、ヴェルサイユ宮殿でのエリザベス女王を招いた食事会には、200セットのサンルイのグラスが「鏡の間」を埋め尽くしたとか、数々の逸話あり、です。

それでもビジネス的には、細々とやっていくには色々と状況も厳しいようで、あのエルメスが手を差し伸べたそう。店内のどこにも「Hermes」の文字は見当たりませんが、現在では、エルメス・グループの一員になっているんだそうです。

そんな贅沢極まるグラスで、シャンパーニュをいただけるなんて・・・♪、と少々ドレスアップして、丸の内のショップへお邪魔いたしました。

閉店後の店内は、目の覚めるようなモダンなデザインのシャンデリアと、マカロンを使った色鮮やかなディスプレイがお出迎え。

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マカロンは、あのSadaharu Aoki氏が前日に来店し、直接手がけてくれたそう!

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8月中頃までの3週間を、1週間毎にテーマカラーに沿ってディスプレイを変え、青木氏が飾ってくれるそうです。近くへ行く機会があったら、覗いてみてはいかがでしょう?

さて、会が始まり、まずはエルメス・ジャポンの担当の方からブランドの歴史についてのお話を。それから、店内奥の特別サロンに招き入れられ、商品の製造工程についてビデオを見せてもらいました。

その職人技といったら、言葉が出ない!

まずは「ホットワーク」。工房の炉から、アツアツのとろけるクリスタルの種を、長い竿で適量だけ巻き取る「巻き取り職人」、それを受けて吹きながら成型していく「吹き職人」など、多くの職人さん達が汗をかきながら大奮闘。

「巻き取り職人」は、ただひたすら「巻き取る」だけ。「吹き職人」もただ「吹く」だけに専念しています。細かい作業のどれもが、分業・専業制!

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特に、グラスのステム(持ち手)部分を作る様は、見ていて、呼吸をするのを忘れてしまうほど。

まだ熱いクリスタルの種を、ピンセットのような道具でつまみながら、びよ?んと伸ばす。それが、何個手がけても同じ長さ、太さ、まっすぐさ、なのです。

次は、カットや装飾などを施す「コールドワーク」。色の付いたグラスをカットするのは、内側からでは向こう側が透けてみえない。

そんなところをまったくあたりなしの目測で、ダイヤモンドのような美しいカットを施していくのです。

グラスの縁に24金の液体で模様を描くにも、筆でひとつひとつ職人さんが丁寧に描いてくし、1脚のグラスを作り上げるのに、どれだけ多くの職人さんの手がかかっていることか・・・。ため息。

完成品を楽しむには、その歴史や製造工程などを知っているのとそうでないのとでは、印象に残る度合いがまったく違う、ということを改めて実感したのでした。

さて、感慨に浸ったところで、いよいよサンルイのグラスでシャンパーニュを楽しむ時間!

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Louis Roedererの注がれた様々なデザインのグラスが並び、煌めく泡もエレガントに見えます。

好きなデザインのグラスを選び手に取ってみると、さすがクリスタル、ずっしりと心地よい重みを感じます。

カンパイして、目にも美味しいアミューズにも手を伸ばし、お互いのグラスを鑑賞しながら会話も弾み、優雅な時間が流れていく・・・。

空間、会話、周囲のすべてがエレガントなのに、つい、いつもの飲み癖で、シャンパーニュを人一倍お代わりしてしまうところがエレガントになりきれない私・・・。まっ、これは仕方ありませんね。

とはいえ、まさに「Art de Vivre」な夜でございました。

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