舌がよろこぶモノ

November 27, 2006

アルバ産の白トリュフ

■うっとり・・・

イタリアのピエモンテで採れるアルバ産の白トリュフ。

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今にも独特の香りがふわぁ?っと立ち込めてくるよう。黒トリュフの3倍以上の価格で取引され、中でも最高級のものとされるのがアルバ産の白トリュフだそう。

まさに旬の今、「白」のコースを食しましょう!と、毎年、このコースを楽しんでいるという某イタリアンレストランの常連さんからお誘いを頂いていたのでした。

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来店の前日、たまたま目にしたコラム。何と、このアルバ産の白トリュフ1.5kgが、オークションで香港の実業家により約1,900万円で落札されたとか。

(これがチャリティディナーに使われた、という後日談は、日本では報道されなかったらしいですが・・・。)

東京のレストランでも、1スライスいくら、とか、1g3,000円する、などと耳にしていましたが、当日、案内されたテーブルに用意された白トリュフは↑の写真の量!

その白トリュフを、魚以外のすべてのお料理に、「ふんだんに」スライスしてもらえる、という話がついていたのでした。さすが常連さん!

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まずは、「柚子風味のプロセッコゼリーが添えられた魚介マリネ」で興奮を静め、いよいよ白トリュフの出番。

白手袋をはめた手が、目にも止まらぬ速さで「鴨と馬のカルパッチョ」にシュシュシュシュシュ・・・。わぁ、カルパッチョが見えない。

「ポルチーニと白トリュフのパイ包み焼き」。栗まんじゅうのような外観のパイにナイフを入れた途端、ふわぁ?っと立ち上る独特のよい香りに思わず深呼吸。

ここまでで、今シーズン分の白トリュフをいただいてしまった感じです。

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お次のパスタは、白トリュフそのものを楽しめるように、とお店の方の計らいで、コースのイカ墨のタリオリーニが却下。

そして代わりに、具も何もないシンプルな「素」パスタが登場しました。

その上に、また白手袋が猛スピードでスライスを始め、時間にして約20秒もスライスしっぱなし。出来上がったのが、そのまんま「白トリュフのパスタ」。

こ、これには大興奮!周囲に立ち込める香りにうっとりしながら、無言でパスタを完食したのでした。

最後の「鹿肉のロースト」にも、シュシュシュシュシュ・・・。

チーズ、デザートもきちんといただき、これで「馬鹿のコース」終了です(馬のカルパッチョに、鹿のロースト・・・)。

一晩で一生分の白トリュフが胃袋の中に入ってしまいました。この1週間、残業で晩御飯を食べる時間のない悲しい日々が続いていたのですが、これで帳消しです。あと一週間、がんばるぞー!

at 00:52|Permalink

November 20, 2006

イル・ボッロとパヴロヴァ

■今年の初ボジョレー

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六本木の旧防衛庁跡地向かいの奥まったエリアに、先月オープンしたレストラン、イル・ボッロ。あのサルヴァトーレ・フェラガモ監修とのことで、話題にも上っているそうですね。

今年のボジョレーヌーボーは、そのレストランを貸し切ってのパーティで楽しんできました♪

ソムリエ兼支配人は、通っていたワインスクールの講師もしている方。

試験講座の曜日を振り替えた時、この先生の授業を一度受けたことがあります。

ちょうどイル・ボッロの準備の佳境だったそうで、ワインリストを作る上でのポイントなどの話もされていたのですが、振り替えでポツンと出席した私には、どこのレストランを準備しているのか皆目分からず。。。

授業が終わり先生に、「あのー、今日振り替えで参加したので、先ほどのレストランがどこだか分からないのですが・・・」。

するとササッとカード入れを差し出し、「このレストランの準備です。もうじきオープンしますから、是非いらしてくださいね」、と正方形の可愛らしい名刺をいただいて帰ってきたのでした。それがこちら、だったのですね。

さて、少々遅れて到着してみると、それはそれはステキな空間の広がる中庭が。

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2Fの窓に映るは六本木ヒルズ

シックでロマンチック。キャンドルのほのかな灯りでくつろげるガーデンと対照的に、絢爛豪華なシャンデリアの瞬くバンケットルーム、マントルピースのあるダイニングスペース、ここぞ大人がお酒を楽しむ場だ!と言いたくなるような静かなバーエリアなど、すべてが開放されていたのでした。

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ボジョレーヌーボーのリゾットも!

肝心のヌーボーは、お約束のボジョレーのみならず、ミュスカデのヌーボーや、日本人が初めて作ったというサムライヌーボーも用意されていました。パーティの抽選会では、このサムライヌーボーが当たり、1本頂いて帰ってきましたよん☆

■オーストラリアのデザート

週末のホームパーティで、初めて目にして口にした美味し?いデザート、パヴロヴァ

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お料理上手のメルボルン出身の奥様が手作りの上、「これは日本のどこにも売っていないケーキよ!」と、持参してくださいました。

ソ連のバレリーナ、アンナ・パヴロヴァが公演でオーストラリアに訪れたときに、宿泊先のホテルのパティシエが考案したものだとか。その後、ニュージーランドでも作られるようになったそうです。

全部メレンゲで出来ていて、低温のオーブンでゆっくり焼き上げるので、外はサクサク、中はマシュマロみたいにフワフワ!とても食感が軽いので、2ピースをペロっと平らげてしまいました。

まったくお腹にもたれないし、シンプルなのにとても美味♪

彼女のご近所でも評判になっているらしく、「今度、販売してみたら?売れるわよ?」と勧められているそう。書いている今でも、もう一度食べたーい!と思うくらいの美味しさです。

オーストラリアへ行く機会があったら、ぜひ試してみてくださいね☆

at 01:10|Permalink

June 12, 2006

タワシタ

■東京タワーのふもと

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「小山薫堂さんがプロデュースした看板のないレストラン」のことを聞いたのは、友人達と食事中のこと。

「つい先日、連れて行ってもらったんだよー」と、彼がカード入れから取り出したのは、東京タワーのイラストに「下」と書かれたショップカード。

これで「タワシタ」と読むのだそう。東京タワーのふもとにあるので、そう名付けられたとか。

「へ?、おもしろいね」、とそのまま食事を続けていたら、食のアンテナを張り巡らしている友人達が、「えー!ちょっとちょっと、電話番号控えさせてもらっていい?前から行ってみたいと思ってたの」、と大興奮。

「なに、何なの?」と聞くと、どうやらこのレストラン、電話番号が非公開らしい。

Azabu Hausにいた人がどうした、だとか、「東京ワンダーツアーズ」のロケにも使われていた、だとか、口々に説明してくれたキーワードどれもが、私のツボにはまるもの。

Azabu Hausの隠れ家っぽい雰囲気も大好きだし、「東京ワンダーツアーズ」は見逃したけれど、2、3年前に見た「東京ワンダーホテル」では、言われてみれば確かそんな名前のバーが出ていたような・・・、ということで、私も一緒になって、電話番号を控えてみたのでした。

そしてちょうど、友人の誕生日お祝いに食事に行くことになっていたので、「それでは早速・・・」と電話をかけ、この週末の夜に出かけてきました。

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桜田通りをちょっと脇に入ると、さっきまでてっぺんしか見えていなかった東京タワーが足元からドーンといきなり視界に。

すっご?い迫力!フィレンツェのテラコッタ色や黄色の壁の街並みの中で、いきなり目の前に現れたドゥオーモを見たときの感覚。

肝心のお店は、東京タワーに見とれていると見逃してしまいそうな普通のビルの2Fに。看板は出ていないけれど、郵便ポストをよく見れば、見覚えのある東京タワーのイラストに「下」という文字。ここで間違いないようです。

入ってすぐの左手には、うっすらと色づいた透明のドアのある部屋が。席に案内されるまでの間、たまたまそのドアが開いていたので覗いてみれば、業界人っぽい人たちの集まりのよう。連日、有名人が集う店、と聞いていただけに、そんな雰囲気がむんむん。

私達は、右手のフロアへ。そんなに広くはないスペースでも、席がゆったり配置されているので、食事と会話を楽しむには十分なところです。タワシタというだけに、窓の外には、木の隙間から東京タワーの足元が見え隠れ。

メニューはスケッチ画集を見ているかのよう。一品一品、水彩画風の味のあるイラストに解説がついて、どれもこれも本当に美味しそう?♪あれこれ迷いながら、ゆ?っくり1枚ずつめくるのも、とっても楽しいひととき。

さんざん悩んだ挙句に選んだのは、イワシとフルーツトマトのカルパッチョ、サバのタルト、薄切りタコと黒オリーブ、地鶏のぶつ切りローストチャイニーズ風・バルサミコとブルーベリーのソースを添えて。もちろん白ワインも忘れずに。

一緒に供されるパンには、クミンと何か塩気のあるものがブレンドされた、雑穀のようにみえる添え物が。パンにオリーブオイルをつけた後、そのクミンをつけて食べてみたら、これがとまらないー。程よい塩気にすっきりした香り。食欲をますます煽られました。

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食事が済んで、ほっと一息、楽しい会話で盛り上がっていたところ、「お食事はいかがでしたか?もしまだお腹に余裕があるようでしたら、オススメの『裏メニュー』があるんですけれどいかがでしょう?」

裏メニューと言われたら試さずにはいられない私達。ぜひ!とお願いし、出てきたものは、とてもシンプルな一切具の入っていないカレーライス。

スパイスの複雑なブレンドが効いていて奥深い味。さわやかな香りに、お腹一杯の胃袋にもす?っと入ってしまいました。「とても好評なんですよ」、とのお店の方の言葉に納得のお味です!

さて、誕生日お祝いということで、デザートには予め、バースディプレートをリクエスト。友人がキャンドルを吹き消し、ぱちぱちと祝福の拍手を。(新たなプランの結成記念日でもあるのです☆)

帰り際、ビルの外に出てみれば、ガレージだと思っていた1Fのシャッターが開いていて、バースペースが出現。こちらも隠れ家の雰囲気たっぷり。

これから夏に向かう季節に、ふらふら?っと寄って、東京タワーを眺めながらぼんやりするのにもよさそう。「ちょっと飲みに行く?」って誘われて、ついていったらここだった、なあんていうシチュエーションに喜ぶ女子も多いのではないかな!?

この雰囲気を一緒に楽しめる人となら、何度でも通ってしまいたい!と思わせるお店でした♪

at 00:16|Permalink

May 29, 2006

スペインどんぐり

■どんぐり週間

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火曜日のこと。
仕事を終えた友人がそちらに行くから一杯でも・・・、というので、それじゃぁ、と、会社近くにあるスペインバルへ。

そこで初めて試した「ベジョータ」というリキュール。「ベジョータ」とは、スペイン語で「どんぐり」のこと。

いつもは、ワインや自家製サングリア、そして日替わりのタパスをつまみながら過ごすけれど、今回は最後の一杯に、いつもと違うものを飲みたい気分。

そこで、カウンターに並ぶボトルの中に、どんぐりのイラストのボトルがあったことをふと思い出し、それを注文してみることに。

ロックかミルク割りで、ということだったので、様子見のためロックにて。

期待せず口に入れたところ、なんと美味しい♪あま?くて香ばしい!ロックでも美味しかったけれど、この香ばしい甘みはミルクで割っても確かに合うはず。アイスクリームにかけて食べても美味しそう。疲れた日の最後にゆっくり味わうと、とってもリラックス。

ここのバルは、パンと一緒に供されるオリーブオイルと塩がお気に入り。
オリーブオイルは、思わず深呼吸してしまいたくなるようなとてもいい香り。塩はゆでたまごの風味がして、オリーブオイルとの相性もバツグン。どんぐりリキュールも覚えたことだし、またふらりと足が向いてしまいそう。

そして金曜日。
以前から約束をしていた職業バラバラの4人とこちらで食事。インテリア雑誌の編集をしている方が、先週、バルセロナへ出張だったことから、思いがけずおみやげを。

Bellotaとパッケージに書いてあるように、どんぐりを食べて育ったイベリコ豚のパテ。

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運動させて鍛えさせながら100kg位に育てられた後、半年間森林に放牧され、どんぐりを食べながらさらに50kgほど体重を増やす、というのだから、イラストの通り、ずんぐりむっくり。ここまでなるには、どんぐりはさぞかしたくさん必要でしょうねぇ。

一週間に、スペインどんぐりネタが2つも・・・。普段、縁もゆかりもないモノだけに、不思議な感じがします。う?ん、これは何かの前兆でしょうか!? でも、どんぐりの前兆って、一体??

at 00:42|Permalink

May 15, 2006

cogito

■美食家の友人と

GW前のある晩のこと。会社帰りに途中下車した駅で偶然に、1年ぶりの友人とばったり!久しぶりだし、今度、ご飯食べに行こうよ?、とその場で即決。

美食情報をメルマガで発信し続けて6、7年になる彼女が選んでくれたのは、今年3月にオープンしたというフレンチ、cogito。「マルシェ・オー・ヴァン・ヤマダ」や「アルモニ」のオーナー、山田実弘さんの3店目のお店です。

元々は一軒家だったところを改築し、インテリアは全体的にアンティーク使いの落ち着いた様子。それもあってか、新しいお店なのに、とてもくつろげる雰囲気。ふと見上げてみたら、天井はガラス張り。晴れた日の昼間にも来てみたいなぁ。

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メニューを決めて、あとはワイン・・・、と、ワインリストを2人で読みふけっていたら、山田さんがテーブルへ登場!

「リスト以外にもワインはたくさんあるので、お好みをおっしゃっていただければアドバイスいたしますよ」とのこと。それでは・・・、と、希望と予算を伝えたら、即、オススメしてくれたのがこちらのワイン。

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Claude Dugatという造り手のピノ・ノワール。まろやかな酸と豊かな果実味のバランスが良く、華やかな香りにうっとり。

帰り際、エチケットと一緒に、コルクにきゅきゅっと、ブドウのモチーフのついたキーホルダーを付けて渡してくれました♪うれしいおみやげです。

また、前菜ができるまで少々時間もあるので、もしよかったら・・・と、山田さんが地下の部屋を案内してくれました。

ひとり通るのがやっとの幅の急な階段を下りると、隠れ家っぽい雰囲気むんむんの小部屋が出現。

革張りの使い込んだひとりがけソファー4脚で部屋はいっぱい。奥にはガラス張りのワインセラーにワインがずら?り。こじんまりしているからこそ、くつろぎ感が増幅してくるような空間。この場所は、シガースペースだそうですが、山田さんもくつろぎの時間を過ごしたりするそうです。

階段が狭いので、「ソファーはどうやって運び入れたんですか?」と尋ねたところ、先にソファーを置いておき、それから階段を作りつけたとのこと。あぁ、もうここから出られないソファー達・・・。

さて席に戻り、美味しい食事とワインとおしゃべりで楽しい時間が過ぎ。。。

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そしてチーズの盛り合わせをお願いしたところ、9種類のチーズのどれも熟成状態がバッチリ!

特にシェーヴルチーズは今が旬ということもあり、程よい酸味で本当に美味しかった。「このお皿、パーフェクトですよ?!」と、山田さんに思わず言ってしまったほど。

聞くと、アルモニだったかマルシェ・オー・ヴァンのどちらかにチーズの熟成庫があり、チーズの管理をしている方がいるんだそうです。道理で美味しいはず・・・、納得。

デザート代わりに、極甘口のシェリー酒、ペドロ・ヒメネスを飲みましたが、これも美味しくて止まらない?。

ふたりで顔を見合わせうなずき、チーズとシェリー酒のお代わりをしてしまいました。レストランでチーズの盛り合わせのお代わりをしたのは、これが初めて。といっても、チーズの量は3分の1にしてもらいましたが・・・。

美味しいワインとチーズが食べたくなったら、またここへ直行です!

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